CM20を用いた培養細胞のアッセイ手法:Uボトムマルチウェルプレートにおけるスフェロイド形成
実験の概要
スフェロイドは細胞が集合した細胞塊で、幹細胞の分化能評価やがん三次元培養を用いた薬効評価などに広く用いられます。細胞を集合させ、スフェロイド形成を促進するためにはUボトムプレートが用いられますが、本アプリケーションノートではCM20を用いてUボトムプレートでのスフェロイド形成のモニタリング事例をご紹介いたします。
実験の方法・条件
培地は1xB27, 1xGlutaMax, 20 ng/mL basic FGF, 10 ng/mL EGF, 0.0002% Heparin, 1%Penicillin-Streptomycin添加KnockOut DMEM/F-12を用い、96ウェルマルチウェルUボトムプレート (Sumitomo Bakelite, Cat. No. MS-9096U) にマウス神経幹細胞を2,500 cells/0.1 mL/ウェルで播種し、CM20でスフェロイド形成の様子をモニタリングしました。播種後にフォーカス位置をマニュアルで設定し、その後は1時間おきに最長60時間自動で撮影を行いました。
結果
図1 マウス神経幹細胞のスフェロイド形成
播種後速やかに細胞が集合し、約10時間程度でスフェロイド化し、その後徐々にスフェロイドのサイズが大きくなる様子が観察されました。
CM20で評価することのメリット
スフェロイド形成の際はUボトムプレートが良く用いられます。初めにフォーカス位置を設定する必要がありますが、Uボトムプレートでも問題なくCM20で撮影することができました。96ウェルフォーマットで観察可能で、ハイスループットでモニタリングできるため、がんスフェロイドに対する薬剤の効果の解析などに応用可能と考えられます。また、今回用いた神経幹細胞やEB (embryoid body:胚様体) など、幹細胞の細胞分化のモニタリングにも応用できることが期待されます。
本アプリノートにご協力賜りました先生
株式会社エーセル 研究主幹 博士(農学)
山口貴大先生
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