ショウジョウバエの胚発生過程におけるプロモーターアッセイの発光イメージング
ショウジョウバエの胚発生における形態変化と遺伝子発現量の変化を解析することが可能
(本アプリケーションノートは旧・発光イメージングシステムLV200で取得したものです)
ショウジョウバエは遺伝学、発生学、生理学などの分野で世界的に広く使用されているモデル生物です。我々は発光イメージングシステムLV200を用いて、ショウジョウバエの胚発生における形態変化とarmadilloプロモーター活性の経時変化を観察しました。
Drosophila melanogasterのゲノムから、armadillo (arm) プロモーター (1.8kb)1 をクローニングしました。Armadilloは脊椎動物のβ-カテニンのホモログであり、胚発生における細胞間接着や細胞極性の決定に関与しています。
このarmプロモーターと発光遺伝子Emerald Luc (ELuc, 東洋紡) をKP124ベクターに組み込み、arm::ELucベクターを作成しました。arm::ELucベクターをショウジョウバエの受精卵にマイクロインジェクションし、定法を用いてarm::ELucのトランスジェニックショウジョウバエ系統を作成しました。このarm::ELuc系統から受精卵を採集して35mmガラスボトムディッシュ底面に貼付け、3mM D-luciferin水溶液に5分間浸漬しました。D-luciferin水溶液を取り除いた後、受精卵をシリコーンオイルに浸し、LV200のインキュベーター内に25℃で静置して20時間に渡る撮像を行いました。撮像条件は以下の通りです。[EM-CCD camera (ImagEM, 浜松ホトニクス), ビニング1x1, EM-gain 255, 60倍対物レンズ (NA 1.25), 露出時間 120 msec (明視野), 4.5分 (発光), インターバル時間 5分] 画像取得の結果、ショウジョウバエの胚発生に伴う形態変化とarmプロモーターの発現パターンの変化が観察されました。受精直後から9時間30分が経過した時点の明視野観察画像と発光画像 (擬似カラーレインボー) の側面図と背面図を図1に示します。
このように、LV200を用いることで、ショウジョウバエの胚が受精卵から幼虫になるまでの長時間の形態変化観察に加えて、発生過程の胚の各部位における遺伝子発現パターンを解析することが可能です。
参考文献1: Jean-Paul Vincent et al, Methods Mol Biol. 1997, 62: 385-92
図1. ショウジョウバエの胚発生過程の形態とarmadilloプロモーターの発現パターン
左上:明視野画像(側面図)、右上:発光画像(側面図)、左下:明視野画像(背面図)、右下:発光画像(背面図)


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