生殖補助技術を用いた研究のための基礎的な顕微鏡調整のポイント

受精卵
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ICSI (レリーフコントラスト観察)
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紡錘体(偏光観察)
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オリンパスは検卵や卵子凍結、融解時の観察に使用する実体顕微鏡から、精子観察を行う正立顕微鏡、顕微授精・レーザーを用いた胚のマニピュレーションやその研究をサポートする倒立顕微鏡に至るまで、さまざまな顕微鏡を提供し各工程に貢献しています。
本コンテンツでは、日常の顕微鏡観察においての基礎的な顕微鏡調整のポイントを、特に使用頻度の高い倒立顕微鏡と実体顕微鏡を中心にご紹介いたします。
1. 光軸調整のポイント
光軸調整とは、光源からの光を効率よく標本に照射させるための調整です。この調整がずれると、観察像が暗くなったり解像度が悪くなったりするので、定期的にチェックしていただくことをお勧めいたします。
以下の手順でご調整ください(倒立顕微鏡 IX73/83)。
- コンデンサーの開口絞りレバーを左に一杯の位置(電動コンデンサーIX3-MLWCDAをご使用の場合、「○」位置)にします。
- 照明支柱の視野絞りレバーを左に一杯の位置(最小)にします。(写真A)
- 10X対物レンズを使用して、標本にピントを合わせます。
- 視野絞りレバーを少し右に動かして、視野絞り像が視野に入る程度に絞ります。
- コンデンサー上下動ハンドルを回し、視野絞りの像にピントを合わせます(くっきり多角形が見える様にします)。(写真B)
- 付属の六角ドライバーを2本使って調整ネジ穴に差込み、コンデンサーの心出しネジを回して視野の中心に移動させます。(写真C)
- 視野絞りレバーを視野外まで広げます。

IX73+電動コンデンサーIX3-MLWCDA組み合わせ
※電動コンデンサーIX3-MLWCDAはこのあたりが「〇」位置になります
2. 眼幅調整のポイント
眼幅調整とは、観察者が視野を1つに重ねてストレスなく観察するために、接眼レンズ間の幅を観察者の眼の幅に合わせる事です。
以下の手順でご調整ください(倒立顕微鏡 IX73/83 実体顕微鏡SZX10/16)。
- 遠くを見るように意識して、正しいアイポイント位置(下図)で接眼レンズを覗きます。
※眼鏡をかけている場合は眼鏡が接眼レンズに接するように、裸眼の場合は接眼レンズに付属のゴム製アイシェードを立てた状態で、そのエッジに接するように覗くとベストなアイポイントになります。

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左右接眼レンズの眼幅を水平に広げたり狭めたりして、2つの像が真ん中に1つに見えるようにします。その1つの小さな像を見つめながら、目を接眼レンズに近づけます。右眼、左眼、両眼で同じ視野が見えるよう、この調整を繰り返します。

3. 視度調整のポイント
左右視力の差の補正と対物レンズ切り替えによるピントずれを最小限にする為に行うのが視度調整です。
以下の手順でご調整ください。(倒立顕微鏡 IX73/83)
- 両側の視度調整環の目盛りを“0”に合わせます。

- 低倍率対物レンズ(10×など)を光路に入れ、右眼で右側の接眼レンズを覗き、 粗動ハンドルで標本にピントを合わせます。
- 高倍率対物レンズ(40×など)を光路に入れ、右眼で右側の接眼レンズを覗き、微動ハンドルで標本にピントを合わせます。

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再び低倍率対物レンズ(10×など)を光路に入れ、右目で見ながら右側(鏡筒側)の視度調整環(上図「a」のギザギザの部分)のみを回し、標本にピントを合わせます。
- 左眼で左側の接眼レンズを覗き、左側(接眼レンズ)の視度調整環(上図「b」)のみを回し、標本にピントを合わせます。
4. 対物レンズの補正環調整のポイント
容器の底面の影響で球面収差という、光軸の一点に光が集まらない光学的現象がおこり観察像が不鮮明になることがあります。これを軽減するのが補正環の役割です。オリンパスの対物レンズは、容器厚を1.5㎜で光学設計をしているため、ヒートプレートと容器の底厚の合計が1.5㎜のときに補正環の位置を1.5にするとほぼ調整されている状態になります。そのため、ヒートプレートを選ぶ際には注意が必要です。底が1㎜のプラスチックディッシュでは厚さ0.5㎜のヒートプレート、底が0.17㎜のガラスボトムディッシュでは厚さ1.3㎜のヒートプレートを選ぶ必要があります。

対物レンズの補正環は、ヒートプレート厚、ガラスボトムorプラディッシュ厚に合わせて以下を設定してください。(倒立顕微鏡 IX73)
例1:
サーモプレートが東海ヒット社製TPi-110RX(厚さ0.5mm)とガラスボトムディッシュ(通常は厚さ0.17mm)の場合補正環は「0.5+0.17=0.67mm」の位置(下記)に調整します。

例2:
サーモプレートが東海ヒット社製TPi-110RX(厚さ0.5mm)とプラスティックディッシュ(通常は厚さ1mm)の場合補正環は「0.5+1=1.5mm」の位置(下記)に調整します。

5. ズーム同焦調整のポイント
低倍高倍にズームを切り替えた際に、ピントずれが起こらないようにするための調整になります。この調整が正しくできていると、検卵などの作業を行う中で、倍率の切り替えに伴って都度ピント調整をする必要がなくなり、作業の効率化が期待できます。以下の手順でご調整ください。(実体顕微鏡
SZX10/16)
- ズームハンドルを最低倍にして粗動ハンドルでピントを合わせます。
- ズームハンドルを徐々に高倍側にして微動ハンドルでピントを合わせ、最高倍率まで上げてピントを合わせます。
- ズームハンドルを低倍側に戻して、ピントがずれるようであれば、左右接眼レンズの視度調整環を回してピントを合わせます。
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再度、ズームハンドルを最高倍側にして、ピントが合っているか確認してください。もしずれている場合は再度2→3を行ってください。最低倍、最高倍の両方でピントが合えばズーム同焦調整は終了です。
- 両眼で1つの視野に見えるよう眼幅調整します。

川崎眞莉栄
IVFマーケティング担当
川崎眞莉栄氏は、オリンパス株式会社のライフサイエンスマーケティング部門に所属し、クリニカル研究に関連する顕微鏡のマーケティングを7年間勤めています。現在はIVF市場のグローバルでの販売促進を担当しています。

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